百合の日記帳40

「夜と海」

 

2巻が発売したので読んでみました。

抒情的というか、心の機微を大事に描く作品なんですが、それを心象風景の生物達が所狭しとコマに現れて表現したりする面白い漫画です。

ミステリアスな少女がつんけんしている時はヴァンパイアの衣装を纏っていたり。自分の世界で考え事をしている時は深海魚が周りを漂っていたり。

外国のお人形さんみたいと評される無口な女の子と、思った事をサラッと口に出してしまえる天真爛漫な少女のお話。

両人ともどこか精神に穴があいていて、人付き合いに少し難ありな性格をしているんですが、「綺麗」への一目惚れから始まる二人の交流はいびつに見えながらも、心の仕舞い込まれた部分や凝り固まっている部分をうまくかき混ぜてくれる刺激になっていきます。

駆け足で過ぎていく高校3年間の青春。卒業という終わりを視界に捉えた時、小さな二人の世界はどうなってしまうのか。

これからの展開に期待せずにはいられません。