百合の日記帳35

リズと青い鳥」(ネタバレ有)


各所で話題になっていたので原作知らないまま見てきました。
いい百合でした。
吹奏楽部には響け!ユーフォニアムからのたくさんの人物が登場しているようですが、それは添えられているだけ。
話のスケールは大きくせず、スポ根群像劇の色は省く。あくまで少女二人の心の機微だけを丁寧に描いた作品という印象でした。
タイトルにユーフォニアムの文字が無いのは、つまりそういうことなんでしょう。
美術も音楽も、繊細でしっとりした空気を作るのにとてもいい仕事をしてくれて、いい意味で緊張しながら鑑賞する事が出来ました。
ちょっとでも物音をたてると、二人の世界が見られなくなってしまいそうだから、と言うんでしょうか。秘め事を遠くから覗き見るような。
劇中、童話の主役に例えられ、悲しい別れ、旅立ちを予見される二人ですが、理科室のハグで「スッキリ」したのぞみは、自分なりに自分達の物語のハッピーエンドを模索する事に頭を向けることが出来たのだと思います。
例の下校シーンは、みぞれさんの華やぎを見るに同棲の提案など、未来に繋がっていく発言をしてくれたのかなと自分の中の百合オタが補完中。
2回3回と、自分の中で消化と整理をしながら何度も見たいぜ。